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GA4設定タグからGoogleタグへの変更背景とタグ統合・リンク先設定について

2023年9月頃からGA4の測定用のタグがGoogleタグに変更となりました。またGoogleタグマネージャー上でもGoogleタグの管理セクションが表示されるようになっています。


改めてGoogleタグの登場及びGA4設定タグのGoogleタグへの変更の背景と、Googleタグ導入により設定できるようになったタグの統合(Combine with another tag)、及びリンク先(Destination)について解説していきます。



Googleタグのメリット


Googleの公式からは今回登場したGoogleタグのメリットとして、以下の4点が挙げられています。


コンバージョンを測定して Google に関するマーケティングの投資効果を最適化したい場合は、サイトのすべてのページにタグを配置することをおすすめします。Google タグをサイト全体に実装すると次のメリットがあります。
-将来を見据えたコンバージョン測定。最新の機能や統合をリリースと同時に利用できるため、変更が行われた場合も正確なコンバージョン測定を継続することができます。
-コーディング不要のタグ管理。ページ上のタグを手作業で変更しなくても、Google サービスで測定機能を活用できます。
-手間をかけずに簡単に統合。実装や、他の Google サービス(アナリティクス、Google 広告など)との統合を、より効率良く簡潔に行うことができます。
-より精度の高いコンバージョン測定。Google タグを使用すると、Cookie が利用できない場合でも正確なコンバージョン測定を行って、業界の状況に応じて現在モニタリングされていないコンバージョンを捕捉することができます。

引用元


Googleとしてはコンバージョン測定の精度の改善とタグ管理の簡易化を主なメリットとして挙げています。



タグ設置の問題


Googleの提供するサービスでは、中小規模のビジネスも含めるとGoogle AnalyticsとGoogle広告の併用が最も多いと思われますが、特にユニバーサルアナリティクスが主流の際は、この二つのサービスを利用するだけでも、様々なタグ設置や設定が必要でした。


例えば、GoogleAnalytics計測タグ、GoogleAnalytics用コンバージョンイベントタグ、Google広告コンバージョンタグ、Google広告リマーケティングタグ、3rdパーティーCookie制限のためのコンバージョンリンカーといったタグを毎回設置していることが多かったと思います。


さらにクロスドメインで広告コンバージョンを計測する場合は、それぞれのタグでクロスドメイン用の設定も必要でした。


直接タグをサイトのコード設置する場合は、Googleタグに変わる前によく利用されていたグローバルサイトタグ(gtag.js)内にクロスドメインの設定を追記したり、複数タグを統合して書き直す対応などがありました。


Googleタグマネージャーを利用すれば直接コードを修正する必要はありませんが、それでもタグの基本的な仕組みを理解しておかなければなりません。


煩わしく敷居も少し高い作業ですが、このタグ設置が適切でなければ、Google広告のコンバージョンが最大化できなかったり、効果の高いリマーケティング広告自体をうまく活用できないといった問題が発生する可能性もあります。


上記のタグ設置の問題ですが、Googleタグの登場前から既にGA4で徐々に解消されていました。GA4ではクロスドメインの対応が管理画面から対応可能になり、サブドメインは標準でクロスドメイントラッキングの対象となっています。


GA4のイベントなどに基づいたオーディエンスグループの作成もGA4に標準で搭載されており、このリストをインポートすることでリマーケティング広告を配信することも可能です。


GA4タグを一つ設置しておけば、様々なGoogleサービスの利用を見越してタグ設置ができていなくとも、必要な時に必要なデータを取り出して利用できたり、タグ関連の設定が容易になっています。


今後GA4にデータと機能を集約していくという方針から、GA4のデータを計測するためのGA4設定タグ自体がGoogleタグに切り替わったのではないかと思われます。



コンバージョン計測の精度改善


昨今はプライバシー保護とCookieの利用制限の問題で、従来のCookieを利用した方法での広告コンバージョン計測が少しづつ制限を受けています。


1stパーティーも含めCookieが利用できなくなる事態に備えて、GoogleではCookie情報以外でもコンバージョンを補完的に計測する手法なども開発されていると思われますます。実際にGoogle広告の拡張コンバージョン機能ではカスタマーリストの情報を元にしたコンバージョンデータの補完を行っています。


コンバージョンの成果地点で発火したタグの情報だけでは足りず、サイト全体で発火し細かくデータを計測しているGA4のデータも当然広告のコンバージョン計測に活用していくと思われます。


コンバージョン計測の精度の観点でも、GA4に全てデータが集約された上で広告用コンバージョンなどが設定されている方が都合が良いということで、こちらもGA4を起点とした計測になることから、GA4設定タグ自体をGoogleタグに変更したということではないかと思います。



GA4設定IDとGoogleタグIDの違い


タグが突然GA4設定タグからGoogleタグに変わってしまったため、GoogleタグIDとGA4設定タグIDは何が違うのか、混乱した方もいるのではないかと思います。


GA4設定タグをサイトに設置していた方は、今回の変更でGoogleタグIDとGA4の測定IDが同じになっていると思います。


IDが同じなので(仮にGoogleタグID:G-11111111と、GA4測定ID:G-1111111とすると)、「Googleタグ=GA4の特定のデータストリーム」という認識をしてしまいそうですが、実際はそうではないようです。


例えば、GA4設定タグがGoogleタグに切り替わった状態(自動で変更された場合はページビューデータの送信が自動でオンになっています)で、GoogleタグID(G-11111111)のデータを別のGA4データストリーム(G-2222222)に送信するように設定すると、G-2222222のデータストリームがあるプロパティでGoogleタグID(G-11111111)のデータが閲覧可能になります。


そして元々のGA4データストリーム(測定ID:G-1111111)は、データは受け取らなくなりますが、引き続きデータストリームとしては残っています。


仮にGoogleタグID(G-3333333)を設定して、そこからGA4データストリーム(測定ID:G-1111111)にデータを送信すると、閲覧可能になります。


上記の仕様から、GA4設定タグはGoogleタグに自動で変更となり、その際GoogleタグIDとGA4測定IDが同じ状態になっていますが、GoogleタグIDとGA4測定IDは別もので、同じIDがただ利用されているという認識の方が良いでしょう。


Google広告から取得できるGoogleタグで設置しても同じような仕様になっています。


GoogleタグIDとGA4測定IDが別物のため、移行にあたりGoogle側で新しいIDをつけた方がよかったのかもしれませんが、上記のようにGA4設定タグを設置したサイトのデータを別のプロパティやデータストリームで閲覧するというような利用自体が少ないと想定されるため、同じIDを割り振った方が都合が良いという判断だったのかもしれません。



タグの統合とリンク先の選択について


Googleタグは複数のタグを統合することができます。どんなタグでも統合が可能で、複数のサイトに設置している複数のGoogleタグのデータを一つのGA4データストリームとして受け取りプロパティでデータの閲覧も可能です。(その場合はGoogleタグの設定で、ページビューを送信するという設定がなされているという前提です。)


この場合は、Hostnameでどのドメインのサイトのデータか識別はされていますが、標準のレポート上はページの閲覧はドメイン以降のurlになっているため、2種類のドメインのサイトのデータを統合した場合、両方とものトップページの閲覧は「/」として表示されます。


クロスドメインの集計時と同じような仕様となり、わかりやすくするためにはカスタムディメンションの設定などが必要になります。


このGoogleタグの統合は、一度どちらからのGoogleタグの設定から統合すると、もう一方の方のGoogleタグの設定画面も更新されます。


リンク先として設定できるGoogleサービスは、Googleサービスごとに一つのようで、GA4のリンク先を二つ設定するようなことはできません。


例えばGA4の測定ID:G-1111111では、G-1111111のデータだけを見て、GA4の測定ID:G-2222222ではG-2222222とG-1111111のデータを見る、というような設定はできません。


ユニバーサルアナリティクスでは、プロパティの参照という形で複数のプロパティを参照した新しいプロパティを作成して、統合されたデータを見ることができましたが、この機能は現在GA4の有料版のみで利用可能で、このGoogleタグの統合では同じような利用はできません。


タグの統合は主にはGA4とGoogle広告のタグの統合が最もケースとして多くなるのではないかと思います。それぞれ別々にタグを設置していた場合は、統合することでGoogle広告からもGA4データの利用が可能で、前述のコンバージョン計測に役立つ可能性があります。


それ以外では、クロスドメインによる集計などがあれば、ページビューデータを送信するGA4のGoogleタグを複数統合するケースも出てくるでしょう。


現在、データのリンク先として選択できるのはGA4とGoogle広告のみで、GA4やGoogle広告をそれぞれ二つ以上リンク先に設定することはできません。


そのため、Googleタグを経由して様々なGA4プロパティやGoogle広告でデータを受け取って閲覧するということを実現するものではなく、今あるGoogleタグのデータをどのように統合したらコンバージョン計測や広告自動改善に役立つか、という視点で、タグの統合を行うことになります。

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